No.18 トヨタの公聴会で露呈したのは、米議員と日本のマスコミのバカさ加減
March 1st, 2010 by Kay Ohara
トヨタのリコール問題で、先週アメリカの下院の監視・政府改革委員会で公聴会が行われ、豊田社長が召喚に応じたというので、2日間ネットのストリーミングで結局ほとんど見てしまった。
相変わらず、日本のマスコミでこの公聴会の様子が偏向して伝えられ、その意義が曲解されている気がする。
さらに日本のマスコミを叩きたいブロガーが、あることないこと書くので、まるでアメリカ人全員がトヨタのリコール問題で日本の企業全てに対して憎悪を抱いているような印象を与えているようだが、それは事実ではない。
運転中にアクセルが動かなくなり、事故に遭ったり、怖い目にあったりした上、それがトヨタ車の欠陥のせいだと固く信じ、トヨタを恨んでいる人たちはほんの人握りに過ぎない。
もちろん、遺族や被害者に対し、充分な調査の上で然るべき賠償はされるべきだ。
だが、今回の公聴会でトヨタを責め立てた議員の中には今年後半の中間選挙を控え、自分の選挙区での支持を気にするあまり、体のいいパフォーマンスを演じている者が多かったことは否めない。
トヨタ側の答弁を聞く耳など最初から持たず、イエスかノーで即答できないような質問をわざと用意し、正義漢ぶるアホな議員の詰問が、まるでアメリカの世論を代弁しているかのように伝えられていたのは残念なことだ。
もちろんニューヨーク・タイムズもワシントン・ポストも、今回の公聴会でトヨタを責める報道はしていない。トヨタを責める者もいる、と報道しているに過ぎない。
社説の論調では、公聴会に豊田社長が出席したことを評価し、真摯にリコール・修理に注力すべきという当たり前のことを言っている。
アクセルペダルの問題が電気系統に原因がある可能性があると主張している人たちの素性もしっかり正しく報道して欲しい。
トヨタのトップ技術者グループが何年もテストを続けても導き出せなかった電気系統の欠陥を数時間で割り出したとされるインチキ技術者、その調査を依頼した無名のコンサル会社、そしてそのコンサル会社に調査を依頼した弁護士団体が、そっくりそのままトヨタを訴えようとしている集団であることが、この公聴会の1日目に露呈されたが、豊田社長が登場する前の日だったからか、ほとんど抹殺されているのは手落ちではないのか?
トヨタ北米CEOのレンツも公聴会の初日に引っ張り出されていたが、彼の言い分は、自分が就任する以前のことはわからないので責任を負えない、リコールの決定はすべて本社が取り仕切っているので自分には何もできない、と、逃げるばかり。
そして2日目には、豊田社長の登場。毎日のようにいくつも行われている下院の公聴会に、こんなに大勢の報道陣が集まったのは記憶にない。もちろん報道陣といっても日本のマスコミが大半。
そのギャラリーを前に、さらに張り切ってパフォーマンスを披露するアメリカの下院議員。
またしてもあまり意味のない質問・詰問のオンパレード。
翻訳が追いつかないほど、一方的にまくし立てるヤツ、長々と喋る割には質問になっていないヤツ、どう考えてもその場で答えられないような質問を投げるヤツ…出れば出るほど、アメリカにはまだまだ議席にしがみついているバカ議員が多いんだということがバレる公聴会だった。

コイツが一番バカそうな質問を連発していたミシガン州のディンゲル議員
PHOTO from Wikipedia
こんな浅はかな猿芝居を見抜けないとは、日本のマスコミもよほどバカなのか、英語がわからないのか、いやそれとも、トヨタが攻撃されていると報道したいのか?
そもそも、ひとつ大事なことが抜けている。
それは、アメリカ人の殆どがこの問題に関心がないということだ。
トヨタ車を運転していたとしても、ま、そのうちディーラーに持っていってみようかな、ぐらいに構えている。なにしろ、アメリカ人はフォードが生み出した伝説的な欠陥車「ピント」を作り出し、それを平気で運転していた人たちだからね。
そして日本に関心のある一握りの人たちは、既に日本企業の組織の体質や、「謝罪」に関する文化的背景の違いや、日本の社長さんたちの英語力がどの程度のものなのかは知っている。
とりたててトヨタを責めようという気は毛頭ない。
結局、今回のリコール事件も、日本のマスコミが自分たちの都合の良いように報道しているだけなのだ。
思い起こせばもう30年近くも前の事件になるが、アメリカの自動車産業に陰りが見え始め、バブルの波に乗った日系企業が傍若無人の振る舞いをし始めた頃、中国系アメリカ人のエンジニアがデトロイトで日本人と間違われ、殺されたことがあった。
いわゆる「ジャパン・バッシング」がアメリカ人に殺意さえ抱かせたあの頃に、逆戻りしてしまったということなのだろうかと暗澹たる気持ちにもなったが、トヨタがこの四半世紀に欠陥車が出ても平気でアフターケアを怠ってきたとは誰も思っていない。
やり方によってはかなり早急に信用回復をすることも不可能ではない。
ただ、ひとつ言えるのは、日本の企業が今後もアメリカを市場として製品を輸出していくのなら、良いものを作っているだけではダメで、良いものを作っていますとアピールし、良くないものを出してしまったときは、もっとさっさと過ちを認め、速やかに事後処理ができる組織づくりが求められるだろうということだ。















April 8th, 2010 at 10:16 am
Oharaさん
楽しく読ませていただきました。なんだか私の心のうちを読んでいるようでワクワクしながらよみました。
余談ですが、先日70年もののTOYOTAのトラックを運転するアメリカ人の人が
「君中国人?日本人?」と聞いてきたので、「えっ、あ、日本人」と答えると
その50代前半のおじさんは私に
「僕の彼女(トラックを指差して)一度も壊れたことないんだよ、ILoveToyota!」と一言言って去りました。
考えてみればHONDAのCIVICのぼろぼろの車を運転する私に一度アメリカ人の男性が
「君のそのHONDA,川にDUMPしない限り死なないよ。」と言って去りました。
私はせめて新しい車を運転したい!と日ごろぼろぼろのHONDA CIVICを運転しますが、「Japanese Car は Good Engineering だね!」と声を掛けてくれるおっさんたちも居るアメリカです。
エンジニアのTop大学のジョンズ・ホプキンズを出た人が「日本車はすばらしい。」といっていたのも思い出します。
でもそれら日本車はそのElectric、コンピューター操作の部品を使わない、少し昔の車たちですね。
やっぱりあまりにコンピューターに頼るのは怖いように思いました。
ちなみに私は南部ルイジアナ州の田舎町にすんでいます。場所柄プロアメリカ!です。
でもこのようなおっちゃん達が(少し人目を気にしながらも?)ぼろぼろの日本車を
「I Love Her!]と言ってニコニコしていますよ。
やっぱり良いものまた作ってほしいです。海外に出て「日本人でよかった」と思わせてくれたのですもの。
はらだ
April 9th, 2010 at 12:04 am
はらだ様
コメント嬉しく拝読しました。今日も目にしたToyotaのコマーシャルで、先月は最高売り上げを記録するほど顧客が戻ってきていると言っていましたね。これからもアメリカのハートランドでジャパニーズの鑑としてご活躍くださいませ。
April 9th, 2010 at 9:31 am
大原さま
有難うございます。ここハートランドでは意外に田舎の素直な質問をアメリカ人の方から投げられます。
「アジア人はなぜ頭がいいのか?」とか「KUMONをすれば本当に良い大学へ入れるのか?」です。
驚いた質問は「日本人はなぜ歴史がある国なのに黒人と結婚するのか?」でした。
「私もOBAMAのような人に出会えていれば本当は良かった。」と言い返すとものすごいびっくりした顔で去りました。「おいおい、なんか言ってよ。」と思ったものです。
今日も雨上がりの朝、家の周りでみなナマズ釣りをしています。
日本人の友達と「Catch&Release」で捕ったナマズを池に逃がしたら
「ちょっと!今度逃がすんだったらちょうだい!もう一匹足らない。」と言うので聞いてみたら8人家族の今夜のおかずだそうです。
皆さん南部に住んでいると言ったら「怖いねえ。。。」と言いますが。はい、怖いこともあります!でものんびりした人達が「アジア人は本当に働くし、勉強するからみんなIVリーグいっちゃうんだねえ。。。」などとつぶやいてくれます。(笑)
つまらないコメント読んでくださってありがとうございます。
これからも楽しい記事を書いてください。失礼いたします。
はらだ