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  • 漢前(オトコマエ)軍団のぱんいち大行進『300』

    April 2nd, 2007 by Bliss Appledore

    フランク・ミラーちゅえば、あの「シン・シティ」の原作と監督で有名な、アメリカのコミック・アーティスト。この作品の原作は、かれが映画「The 300 Spartan(邦題『スパルタ総攻撃』、1962年)」にインスパイアされて創ったグラフィックノベル(※)。

    ペルシア戦争の戦闘の一つ、「テルモピュライの戦い」が元の史劇フィクションで、タイトルの「300」っちゅーのは、時のスパルタ王・レオニダスが出兵した際、伴った軍勢の頭数なの。

    クセルクセス1世の率いるペルシアの大軍に、たった300人の軍勢で挑むレオニダス王の『愛と勇気と根性の漢前な物語』、それが「300」のおハナシ。

    そうやって書くと、ストーリー的にかなーり単純そうだケド、王の少年時代の物語や、国元で王の帰りを待つ王妃ゴルゴーの身に降りかかる「残された者」の物語をうまーく織り込んで、ちゃーんとドラマになっちょりますから、ご心配なくゥ~。

    映像的には、ほとんどをブルーバックで撮影して、CGと着色をきかせまくった加工系。
    この「ちょっと人工臭」がする感じが、原作がグラフィックノベルな本作には、うまーくマッチしてる、って思ったヨ。

    特にネ、人工的に被写界深度をコントロールして、ボケ足の利いた映像を多用してるトコが面白いヨ。全体がざらっとした、ややセピア調にまとめられてる中、スパルタ軍の赤いマントが非常によい色彩で配置されてて、これがとってもよいアイキャッチ。

    動きの方もまた編集でテコ入れされてて、戦闘シーンはほぼいじられてるネ。
    これがあの「バレット・タイム」の応用版みたいなモンで、動き、特に回転してる対象物に対して、動きの緩急を人工的につけたモノ。ちょっとスローになったと思ったら、突然、早回しになったりする、あのカンジ。

    ただただ、武器を振り回して敵をやっつける…ってな風に単純になりがちなシーンに、いーいカンジのアクセントになっててヨシ。

    初回の攻撃のシーンで、先鋒に立ったレオニダスが敵陣を斬り進むシーンなんぞ、カッコよくってホレボレ。赤いマントが翻るその様までもがたまらなくキレイなの。
    時折、足下の足さばきだけがアップになったりして、とてもリズミカルな演出が味わえるヨ。

    全編に音楽がうまーく使われてて、特に戦闘に挑む前にかかる、メタルな音楽、これが盛り上がる盛り上がる!! うーん、漢(オトコ)前!!!

    撮影にあたっては、スパルタ軍を演じた役者さん達が腹筋を鍛えた…という「肉体派作品」でもあってネ、スパルタ軍の格好は「革製のパンツ一丁」。他はヘルメットとマントと脛当てだけ。

    ウン、そうなの、マントを外しちゃうと、パンツ一丁ってわけなのヨ。とぉーても漢前デショ。
    だから腹筋を鍛えとかないと、ビジュアル的に大変なコトになっちゃうのネ(笑)

    その、ぱんいちの兄貴達300人前の肉体美だけでも、鑑賞に値するヨ。

    んでも、最初は「腹直筋!」「上腕二頭筋!」「大胸筋!」「外腹斜筋!」「大腿四頭筋!」ってワクワクテカテカしてたものの、そのうち何だか見慣れちゃって、何とも思わなくなって…ってトコに、自分の業を感じるネ。慣れってコワいネ。

    300人の兄貴達の頂点・レオニダス王役のジェラルド・バトラー、これが素晴らしい!!!
    最近の映画での「王様役」の中じゃピカイチ! 
    威厳と秀麗さがある上、戦闘シーンに垣間見える「イッちゃってる目つき」、これがもう。王たる者のカリスマをカンジさせる、よい目つきです。ひょー、漢前!!!

    かれの「Spartans(スパルタ軍よ)!」のかけ声には、観てるこっちも思わず背筋がビシーーーっ(笑)

    そして、物語中、とある役をレオニダスに申しつかって、戦線から離れるディリオス役、これがまた演技派で有名なデヴィッド・ウェナム。全体のナレーションもこの方ネ。
    観る者を必ず落涙させる、あの名演技は今回も大サクレツ。

    かれが王と別れるシーンなんかは台詞の一つもないんだケド、表情だけで泣かす、泣かす。
    更にラスト10分はかれの独壇場。あまりにお美事なお点前に、こっちも漢泣きヨ。

    ってなわけで、2時間の尺でテンポ良く盛り上げてくれるから、よそ見してる暇はまーーったく、ナシ。

    原作が漫画だからなあ、ってカンジさせる部分は多々あるけど、その辺に転がってる、明らかにうっそくさい現代物フィクションなんかより、いっそ清々しいヨ。
    クセルクセスのカマっぷりも、レオニダスとの対比で考えると、アレでいいと思うしさ。

    何の説明もナシにドンドコと異形のキャラが出てくるんで、それを目の端で楽しむっちゅー別のお楽しみもあるヨ。いきなりムマキル(※)が出てきたのにはビックリこいたケド(笑)

    ただーし、グロが苦手な人にはあんましおすすめ出来ないかも。

    個人的にはそんなにグロくないと思うんだケド、首ちょんぱはあるし、戦争物ってこともあって、血はかなーり出るヨ。色味は押さえてあるんで、キモチ悪くはないけど、そこそこ痛々しいシーンはありますので、ご注意ネ。

    キホン、流血が苦手な方はご遠慮するのが無難かとオモウ。


    漢前兄貴度★★★★★
    映像美★★★☆☆

    黒部エリ御大のご依頼により、今回からわたしの担当記事においては、星取の他に「ブリたんレーティング」を採用することとなりました(笑)
    これは主にグロ度をはかるもので、「ブリR」と呼ばれる指標でグロ度が示されます。
    その基準値はこの通り。 ブリX=(該当作品が雑誌などで紹介される時に「グロ注意」という注意書きが入る、一般的に見ても危険なモノ。グロ耐性がある人でも難しい場合アリ。)
    ブリR=(グロに耐性がある人には何の問題もなし。流血が苦手な方にはおススメ出来ない。)
    ブリ15=(何だかんだでちょっと流血あり、でも気持ち悪くなるほどではない。)
    ブリPG=(戦闘シーンはあるケド、流血ほとんどナシ、流血が苦手でも大丈夫。)

    ちなみに「300」は、「ブリR」とレーティングされました。

    ※グラフィックノベル=近年、アメコミ系の作品と一線を画すために使われ始めたジャンル名だけど、要は漫画。
    長編の、構成が小説並みに「出来ている」、とされる作品に冠されることが多くて(短編で構成された一連のシリーズものをまとめたヤツもそう呼ばれることがある)、そう名付けて売り出される作品は「タダの漫画じゃねえんだよ」という誇示があるのが特徴。一応、年長者向け、という前提になる。
    日本の作品の英訳版も、そう言って売られているものが結構ありマス。

    ※ムマキル=「The Lord of the Rings : Return of the King」に出て来る、デーーーーッカイ、象さん。小さな山くらいある。

    原作の雰囲気&フランク・ミラーのこだわりに最大限に応えてると思われる、独特の映像のメイキングはアート本の方で逐一掲載されてるんで、気に入った方には副読本としておススメ。漫画っぽくなり過ぎてないけど、どことなく漫画っぽいのよネ。

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    エンドロールのCGもアイディアもので面白いヨ。

    ブリス・アップルドアのブログはこちら:BliBlo


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