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  • No.22 どこまでも卑怯なティーパーティーとフォックスTVのアジェンダ

    August 2nd, 2010 by Kay Ohara

    スキャンダルがウィルスのように瞬く間に広がるのもネット時代ならではの問題。

    本来ならマスコミは「ゲートキーパー」として情報源を吟味し、事実関係を把握しなければならないのだが、ルパート・マードックが所有するフォックスTVは、高視聴率を理由に、保守派の悪意あるアジェンダを優先する“マスゴミ”の典型だ。

    そのアジェンダというのは、全て白人男性の支配するアメリカ社会を取り戻すということに他ならない。

    オバマ大統領がやることなすこと全てに反対するティー・パーティーは、オバマ政権のスタッフが何か悪いことをしていないか、私生活で恥ずかしいことをしていないか、血眼になってスキャンダルを探している。スキャンダルがない場合はでっち上げる。

    そのためにエイコーン(Association of Community Organizations for Reform Now, ACORN)というNPOを潰してしまったこともある。

    エイコーンはゆるい地方組織同士のつながりで、活動の一環に低所得者層や市民権を得たばかりの移民が選挙投票を通じて政治的発言権を得られるように選挙登録の手助けをする、というものがあった。

    それだけなら、なんらティー・パーティーとは関係なさそうだが、低所得者層や移民の人たちは、非白人がが多く、また社会福祉に力を入れ、労組とのつながりが深い民主党に1票を投じる確率が高いので、共和党と、共和党よりさらに保守のティー・パーティーにとって目障りな団体なのである。

    去年暮れ、ジェームズ・オキーフという“自称”ビデオジャーナリストを名乗るヘナチョコ男が「売春婦を連れたヒモ男」を演じ、エイコーンの事務所に乗り込んでいって、メキシコから未成年の売春婦を密入国させたいとか、売春婦業をビジネス登録したい、とかフザけた相談を持ち込み、困惑する事務員の様子を隠し撮りした。

    これを怪しいと思った事務員が一人、密入国の詳しい情報を聞き出してオキーフが帰った後に警察に届け出た、という事件があったが、編集されたビデオには、売春婦のルートについて(協力すると見せかけて)色々と質問をする事務員が映っていたのを、いかにも彼が密入国を手伝おうとしているかのようにビデオを編集し、フォックスTVで流し続けたことがあった。


    PHOTO : via New York Post


    事実を知らされる前に、共和党のみならず民主党議員もエイコーンはけしからんと、政府からの援助金を打ち切る法案を可決し、エイコーンは解散を余儀なくされた。

    このビデオの仕掛け人がアンドリュー・ブライトバートという病原菌だ。
    コイツは金に飽かせてティー・パーティーが喜びそうなスキャンダルを次々にでっちあげ、オバマ政権を脅かそうとしている。

    次にターゲットになったのがシャーリー・シェロッドという農務省職員。


    彼女は 全国有色人種向上協会(National Association for the Advancement of Colored People, NAACP)に招かれた席で自らの経験を折り込んだスピーチをし、その中でかつてアラバマ州の黒人農夫たちが不当に農地を失うのを防ぐ活動をしていたときに、白人夫婦から相談を受け、最初はなぜ私が白人のために一肌脱がなければならないのかと思ったが、不当な農場破産は人種問題ではなく、貧困者すべての問題なのだと気づき、自分の考えを改めるに至ったという話をした。

    結局、彼女はこの白人夫婦のために尽力し、農場破産から救ったのだがその部分はカットされ、いかにもシェロッドが農務省勤務となった今も白人に対して差別しているかのようにビデオは編集され、ブライトバートが運営するウェブサイトからフォックスTVで流し続けられた。

    さらに嘆かわしきは、農務長官のトム・ヴィルサックが事実関係を確認することもなく、シェロッドの辞任を求め、彼女は解雇されてしまったことだ。

    フォックスTV以外のメディアは、さらなる取材を行い、この彼女の話に出てくる白人夫婦にインタビューし、彼女のおかげで破産せずにすんだという証言を引き出したり、この話が農務省に務める以前のエピソードであること、シェロッドの祖父は、人種差別の激しい南部で白人のリンチに遭って殺されたこと、彼女が夫婦ともに人種差別と戦ってきた活動家であること、などの事実を報道したが既に時遅し。

    とんだフライング解任をヴィルサックは謝罪する羽目になった。

    これでオバマ政権もわかっただろう。フォックスTVはマスコミではない。
    アンチオバマのプロパガンダを垂れ流すただの嫌がらせ軍団だ。ティーパーティーは国家を脅かすテロリスト集団だ。

    共和党もオバマ政権の政策に何一つ歩み寄ろうとしない。
    メキシコ湾を汚染させたBPを応援し、高所得者の税金を軽くし、金持ち(白人男性に限る)がさらに金持ちになる社会をとりもどそうとしている共和党と妥協して政策を通す必要はまったくない。

    願わくばオバマ大統領には、バカ息子ブッシュ前大統領のように自分の思うところへ存分に突き抜けてもらいたい。

    それ以外にアメリカが再生する道はない。

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