No.4 色もの好き必見! カルトなミュージカル「グレイ・ガーデンズ」
December 18th, 2006 by Lil Akim
さあ、NHKの人気番組「にんげんドキュメント」がブロードウェイ・ミュージカルになった。
ちみは観たいか?
いや、冗談じゃないぞ。
今、話題の新作ミュージカル「グレイ・ガーデンズ」はまさにそんなミュージカルなのだ。
ブロードウェイではディズニーものを始めとして、「プロデューサーズ」に「ヘアスプレイ」、「スパマロット」に「ウエディングシンガー」、来春には「キューティブロンド」なんかもオープンするくらい映画のミュージカル化が大流行りだが、今年の春にオフ・ブロードウェイで大ヒットし、11月にブロードウェイでオープンしたこの「グレイ・ガーデンズ」は、映画は映画でもなんとドキュメンタリー映画をもとにしたイロものだ。
ドキュメンタリー映画のミュージカル化ですぜ!
「マジっすか?」とワタスが叫んだとしても、そりゃ仕方あるまい?
ほんでもって、原作映画の「Grey Gardens」に好奇心がわいちまったのも当然でしょう?
この映画、観てぶったまげ!
ゴミだらけの荒れ果てた屋敷に住む、超キョーレツなおババとオバはんの生活に密着したドキュメンタリーなのだ。
しかも、そのおババとオバはん、なんと第35代合衆国大統領JFKの妻、ジャックリーン・ブーヴィエ・ケネディ・オナシスの78歳におなりあそばす叔母様とその娘の従姉妹様、56歳なんざますっ!
オー、マイ、ガーッ!
2人ともイーデス・ブーヴィエ・ビールという名前なもんで、母親はビッグ・イーディ、娘はリトル・イーディと呼ばれているのだが、ジャッキーの父ちゃんとビッグ・イーディは兄妹らしく、おフランス系の名門ブーヴィエ家のご出身。
美貌と音楽の才能に恵まれたイーディ母娘は、その昔、ショウビジネスの世界にうっとり憧れていたものの、名家の子女ゆえに人前で芸を披露する商売につくことなど「まかりならん!」と禁じられ(←これ、パリスたんが聞いたら驚愕するね)、夢破れた過去を持つのでござる。
しかし、今や名家出身の残り香がにおうのは2人の上流階級臭いアクセントのみ。28も部屋があるイーストハンプトンの豪邸グレイ・ガーデンズは、穴だらけ、猫だらけ、ノミだらけ、ゴミだらけで、かつてアメリカ一美しい庭を持つと言われた邸宅は、今や見る影も無く荒廃して凄まじいありさまだ。(注1)
富と美貌と社会的地位の全てを持ってこの世に産まれ、蝶よ花よと育てられてきたはずのこの母娘が、なんでまた上下水道も整備されていないこのボロ屋敷で毎日お歌を歌って変人らしく暮らしているのか?
このドキュメンタリーはそこんところにググーッと迫った非常に興味深い映画なのである。ブヒー。
こいつ、デイヴィッドとアルバートのメイズルス兄弟が1975年に製作した映画なのだが、メイズルス兄弟と言えば、ローリング・ストーンズの1969年USツアーを記録した「ギミー・シェルター」や「ザ・ビートルズ:ザ・ファースト・USヴィジット」なんかの音楽ドキュメンタリーが有名だ。
でも実は、この「Grey Gardens」こそ彼らの傑作だと言われているのだじょ!
しかし、なぜか日本ではこの傑作のことはあまり知られておらず、劇場公開はおろか、ビデオやDVDもリリースされていないので、日本でこれを見たことのある人は、ワタスの適当な予想では67人ってところなのだ。
日本の皆様、これ、マジで必見の映画ですぜ。(注2)
おババ達のキョーレツな個性。奇抜なファッション。哲学的名文句の数々。
どれをとっても迫力満点でスゲーです。観れば観るほど観れない部分が気になって仕方なくなる映画なのでごぜーます。
アメリカじゃ、特にファッション・ピーポーとゲイの間では知らぬ者無し、というカルト映画になっているのも当然で、こいつを舞台ミュージカルにしたいと思うほど魅せられた人間がいるのも大いに納得。
つーか、ここだけの話、ワタスもいっぺんで「Grey Gardens」の虜になっちまったクチで、今や「Grey Gardens」博士と化し、夜な夜なリトル・イーディのコスプレ(注3)をして旗をふりふり踊ってたりするのだ。
いや、リトル・イーディはエエぞ!
体重計の数字を双眼鏡で確認したりするオモロい行動の数々もさることながら、そのファッションセンスは必ず真似っこしたくなるくらい独創的なのだ。さすがヴォーグやハーパースバザーなどの有名ファッション誌が特集を組むだけのことはある。(注4)
おっと!
調子ぶっこいて映画の話ばかりしてしまったが、映画を観てない「いちげんさん」はミュージカルを楽しめないのか、なーんて引く必要はないっ!
でーじょーぶだから安心しやがれ。
もちろん、映画を見て予習しとけば3倍楽しめて狂喜乱舞することは間違いないのだが、少しばかり予備知識があればちみだって十分楽しめるのだ。
<この記事には続きがあります>
この記事全体のページ数: 1 2















March 2nd, 2009 at 1:16 am
[...] 受賞した「アイ・アム・マイ・オウン・ワイフ」やワタスが偏愛するミュージカル「グレイ・ガーデンズ」の台本を書いたダグ・ライトが台本を書いているから、ほんでもって不況のせい [...]
November 8th, 2009 at 11:08 pm
[...] NY Niche内のその他のグレイ・ガーデンズ関連記事 ・ブロードウェイ・ミュージカル 『グレイ・ガーデンズ』 ・テレビ映画『グレイ・ガーデンズ』 ・イーストハンプトンにあるお屋 [...]