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  • No.5 スマッシュヒットに強気な「ジャージー・ボーイズ」

    March 19th, 2007 by Lil Akim

    さて問題です。
    今、ブロードウェイのミュージカルでチケットのお値段が一番お高い作品はどれでしょう?

    はい。
    それは2006年のトニー賞ミュージカル部門作品賞を受賞した「ジャージー・ボーイズ」でごぜーます。

    さあ、「ジャージー・ボーイズ」と聞いてジャージ姿のヒップ・ホップな少年達を思い浮かべたそこのちみ。

    ブー、ブーッ!

    「ジャージー・ボーイズ」とは、ニューヨークのお隣、ニュージャージー州出身のグループ、「ザ・フォーシーズンズ」のサクセスストーリーを描いたミュージカルなのである。

    あ。
    もしかして、今度は某有名ホテルグループのサクセスストーリーを思い浮かべてしまったか?

    ブー、ブー、ブーッ!

    「ザ・フォーシーズンズ」というのは、アメリカではビートルズよりも人気があったと言われとる4人組のイタリア系アメリカ人バンドなのだじょ!
    いや、バンドっつうか、コーラス・グループっつうか、ドゥワップっつうか、いわゆるグループサウンズなのである。

    ほれ、何年か前にローリン・ヒルがカバーした「CAN’T TAKE MY EYES OFF YOU(君の瞳に恋してる)」を覚えとらんかね?
    「SHERRY」や「BIG GIRLS DON’T CRY(恋はやせがまん)」、「WALK LIKE A MAN(恋のハリキリ・ボーイ)」はどうだ?

    いやいや、たとえ「そんなの知らんなー」とほざくちみだって、いざ曲を耳にしたら「あー! それなら知ってるぜ」と歌いだすはずだ。

    そんくらい、「ザ・フォーシーズンズ」とボーカルのフランキー・バリは後世まで残る名曲をいくつもいくつもこの世に送り出したのだ。
    この際、よーく覚えておくように。

    で、その「ザ・フォーシーズンズ」の誕生から解散、そしてメンバーの現在までの物語を丁寧に描き、ほんでもって彼らのヒット曲をたっぷりと盛り込んだミュージカルがこの「ジャージー・ボーイズ」でごぜーまして、今ブロードウェイで一番強気の値段設定をしているショウなのである。

    えー、現在のブロードウェイミュージカルの相場を簡単にご説明しておくと、だいたい一階のお席、オーケストラと呼ばれるお席で$110ってところなのだ。

    しかし、それが「ジャージー・ボーイズ」は他よりお高い$115。週末なんか$120になるのである。

    しかも、他所のショウでは2階の一番後ろの端っこの席は$60くらいで売り出されているのに、「ジャージー・ボーイズ」ではなんと$96.50!
    それより安い席は立ち見(注1)しかないのだじょ!

    おまけに、2001年の「ザ・プロデューサーズ」のヒット以来、ブロードウェイでは一部の席を「プレミアムチケット」と称して倍以上の値段で正規販売するのが流行っているのだが(ちなみに、ワタスはこいつを「自家製ダフ屋販売」と呼んでいる)、他所では$200~250くらいのプレミアムチケットも、「ジャージー・ボーイズ」ではなんと$300! 週末は$350もしやがるのである。(注2)

    「な、なんじゃこりゃ?」と思わず松田優作になるくらい衝撃のお値段。
    そう。ブヒーッと鼻血どころか、腹から血が出ちまうのであるっ!

    いや、確かにこのミュージカルはなかなかイケてる。
    なんと言ってもザ・フォーシーズンズの曲はしばらしいし、観劇後は曲を口ずさみながら街を歩いている自分を発見するくらいだ。

    主役フランキー・バリ役でトニー賞を受賞したジョン・ロイド・ヤングが、ぶっとい八の字眉毛を平行になりそうなくらいに下げながらファルセットで歌うのを聴いていると、不覚にも母性本能を刺激されて胸キュンしてしまうくらいである。

    その上、観客のノリがものすごくいいので、観ていてスカッと気持ちがいいっ!
    これはきっと、60年代にブイブイ言わしたザ・フォーシーズンズと共に青春時代をすごしたと思われる爺っちゃん婆っちゃん達が、身体をゆすりながら舞台上の俳優達と一緒に歌ってくれるせいだろう。
    皆キャーキャー喜んで、フィバって、いやもうノリノリ! こっちまで楽しくなっちまうのだ。

    おまけに、ミュージカルで歌われる歌はすべてザ・フォーシーズンズがライブで歌っているという設定だし、ミュージカルに良くあるように、お歌でストーリーや登場人物の感情を語るということがないもんで、英語にハンデがあっても、ミュージカルが苦手でも楽しめるのである。

    そう。
    このミュージカルはブロードウェイでノリノリの観客達と一緒になって観てこそ価値のある、チミ達にとーってもお勧めの一品なのだ。

    しかし、いかんせん、チケットがとれないっ!
    とれても腹血が出るくらいお高いっ!

    えーい、ちきしょうめ!
    あのノリノリの観客達は、チケット代を経費で落とせる奴達にちげーねえ!

    「さあ、皆さんご一緒に!」度:★★★★★
    母性本能こちょこちょ度:★★★★
    チケットがとれない度:★★★★★
    チケットに払ってもよい金額: 55ドル(しかし、こんな値段じゃ買えませんわよ。おほほほほ!)


    注1: 懐の寂しいチミもあきらめることはない。満席のショウは、立ち見券が当日ショウの2時間前にボックスオフィスで発売されるのだ。お値段は$26.25(現金のみ)なので、数時間並ぶ覚悟があればチミだって八の字眉毛に胸キュンできるぞ!

    注2: 「プレミアムチケット」だからって、最上席が用意されているワケではないじょ。$350で買ったは良い が、一階の端のほうの席だったってことも あるのである。
    じゃあ、シートがリクライニングするのだろうとか、マッサージ機付きなのだろうとか、ドリンクやお土産がついてるにちがいない、なんて期待はしないでくれたまえ。そんじょそこらの席でしかありましぇーん。

    ちなみに、この「プレミアムチケット」が売れ残った場合どうなるかと言うと、フツーの価格でフツーに売り出されるのだ。つまり、観たい日の数日前にボックスオフィスに行ってみたら、「運がいい! 良いお席がありまっせ~」となることも、タマにはある。


    “JERSEY BOYS”

    劇場:August Wilson Theater
    245 West 52nd Street, New York, NY 10019
    (Broadway & 8th Avenue)
    URL: >http://www.jerseyboysbroadway.com/

    パフォーマンススケジュール:火 午後7時/水~土 午後8時/水・土 午後2時/日 午後3時



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