同級生は異邦人 No.10 密かに恋愛謳歌中!? インド人のアシュ
October 2nd, 2006 by Sally
インド、あるいはインド人のイメージといったらなんだろう?
ステレオタイプな答えをすると、やっぱりカレー?それとも映画「踊るマハラジャ」に出てくるような鮮やかな衣装?世界遺産のタージ・マハル?敬虔なヒンドゥー教徒?
「英語が堪能で数字に強い」というイメージもあるだろう。私がそうだ。IT業界にはインド人が多いし、最近はアメリカからインドに仕事を外注、なんて話しもよく耳にする。
例えば、法人や個人のタックス・リターン(確定申告)。ネット環境さえあれば場所は問わないので、アメリカの会計事務所からインドに仕事が委託できちゃう。インドはアメリカと大きく時差があるので、アメリカ側が寝ている間にインドで書類が作成され、翌朝にはクライアントに渡せちゃうワケだ。すごい効率の良さ!
実際、私がニューヨークで出会ったインド人のクラスメイトたちも成績がいい人ばかりだった。特に、前の学期の英語(国語)のクラスで一緒だった美人女性、アシュは印象深い。
アシュの専攻は数学だ。数学の大嫌いな私は、「うえーっ、数学って『専攻』にするものなのか!」と露骨にいやな顔をしてしまった。そういや、うちの大学の副学長も、数学教授であるインド人女性だったな。
でも、アシュを見ていると、その選択にも納得。頭の回転がものすごく速いからだ。教授の説明が終わらないうちに、矢継ぎ早に質問を浴びせたり、教授が生徒たちに向けて質問をするやいなや、手も挙げずにがーっと答え始めたり。それがまた、素晴らしく的を射た答えなのだ。
頭の回転に比例して、しゃべりも早い早い。一応、英語は第二言語だが、教授が「ちょ、ちょっと待って!」というくらい早い。私も彼女の言ったことが、早すぎて聞き取れないことが多々あった。
ところで、その英語のクラスでは、男女の性差やその関係がテーマだった。留学生や移民の生徒は、自国の習慣をそれぞれ紹介したので興味深かった。もちろんアシュの国の文化も。
アシュはインドの北西、パキスタンに近い、パンジャーブ地方出身。そこでは厳しいカースト制度があり、階級の違う人とは恋愛や結婚はおろか、普段の交流もほとんどないという。(アシュはアメリカ留学していることや振舞いから察すると、上の方の階級と思われる)
クラスには、一夫多妻制の残るアフリカの国出身で、異母兄弟が10人くらいいるという生徒もいたが、アシュの文化はそれとは対照的で、「愛する人は一生に一人(だんなさん)だけ」、というものだった。
それから、面白かったのは、「シングル女性」に対する認識の違い。
日本では、彼がいないことや結婚していないことに劣等感や恥ずかしさを感じる女性が結構いると思う。みんな「彼氏つくらなきゃ」って必死に出会いを求め、そのための合コンやシングル向けのパーティーがたくさんある。
また、本人がシングルであることを気にしていない、あるいは、あえてそれを選んでいるにもかかわらず、周囲が放っておかず、「今度、よさそうな人紹介するから」とか、「早く嫁に行け」なんて言われることもある。
これに対し、アシュの文化、いや、正確にはアシュの階級では、シングルの女性は「汚れていない」という意味で、非常に尊ばれる存在だという。要は処女性重視というやつだ。
親は娘にふさわしい男性が現れるまで、娘の純潔を守ろうと必死。そう、家族ぐるみで娘を「シングル」状態にキープしておく。
しかも、娘の年齢が上がっても、その価値は下がるどころか、「並みの男性とは結婚しない、レベルの高い女性」「それだけ教養を積んでいる」などと、かえってプレミアがつくほど。これは日本とは違うな~。
アシュの両親も例にもれず、アシュにいい寄ってきた男どもをことごとく蹴散らしてきたという。大事に大事に両親に守られてきたアシュ。両親は、アシュの帰国後、立派な紳士とアシュを結婚させるつもりで楽しみにしているそうだ。
「でもお前、男いるじゃん」
クラスの誰かがつっこんだ。そう、実はアシュは、ニューヨークに男がいる。
クラスが始まる前、アシュはよくその男と廊下でいちゃついていた。「愛する人は一生に一人」だあ?お前なー(笑)
「シーッ!彼がいること、両親には絶対ヒミツなの!」
アシュは笑顔でクラスメイトにウインクした。頭の回転が素晴らしく早い彼女のことだ。バレそうになっても、きっとうまく振舞うに違いない。
インドでの厳しい習慣の反動か?ただいまニューヨークで恋愛をこっそり謳歌中のアシュなのだった。
☆ アシュの国:インド(India)
南アジアに位置する連邦共和国。1947年英国領より独立。首都ニューデリー、10億人を越える人口のうち、ヒンドゥー教徒80.5%、イスラム教徒13.4%。公用語はヒンディー語だが、民族・言語は地方によって多種多様。世界でもっとも多くの映画が製作されている国。ニューヨークで有名なインド人街は、クイーンズにあるジャクソンハイツ。何種類ものカレーが10ドル以下で食べ放題、なんて店もある。スーパーマーケットに入って種類豊富なスパイスやお香を物色するのが楽しい。
*Data:外務省HPより
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