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  • Archive for the ‘かぶりつき!ブロードウェイ観劇レポート’ Category

    No.14 必見! まるで音楽の無いイタリアンオペラで「ガラスの仮面」な『A View From the Bridge』

    March 1st, 2010 by Lil Akim

    ひそかに「アメリカの北島マヤオ」と呼んでいる俳優がいる。

    去年の夏、ヒュー・ジャックマン主演の『ウルヴァリン:X-Men Zero』でウルヴァリンの兄貴を演じたあの俳優、リーヴ・シュレイバーのことだ。

    彼のことをそう呼ぶようになったのは、ブロードウェイでリバイバル上演されたデイヴィッド・マメットの『グレンギャリー・グレン・ロス』を観た2005年の夏からだ。芝居とは思えないリアルさをキャラクターに与えつつ、劇場の隅々まで到達する存在感を放つシュレイバーの力量に圧倒され、そこに北島マヤを見たのである。

    2年後に観た別の芝居『トーク・ラジオ』でもシュレイバーは期待を裏切らなかった。

    その彼が今ブロードウェイで、アーサー・ミラーの『橋からの眺め』でエディ・カルボーンを演じている。
    これを見逃す手は無い。
    (more…)

    No.13 『メンフィス』とソウルとミュージカル・シアター

    February 1st, 2010 by Lil Akim

    しっかりした物語にノリの良い音楽とダンス。
    唄って踊れて演技ができる俳優陣に、時代とキャラクターにふさわしい衣装。
    見栄えのする舞台装置に効果的な照明。

    2009年10月にブロードウェイでオープンしたミュージカル『Memphis』には、良いミュージカルに必要なものはとりあえず全てそろっている。

    仕上がりもそつがない。

    それなのに、そこにあるべき大切なものを感じられず、作り物感がただよう。
    そこにあるべきなのにそこにない大切なものとは、いったい何ぞや?

    魂(ソウル)である。
    (more…)

    No.12 ナターシャ・リチャードソンを偲んで 「欲望という名の電車」と最後の舞台

    April 6th, 2009 by Lil Akim

    3月19日(木)の夜8時にブロードウェイの劇場街を歩いた人なら、どの劇場からもいつものきらびやかな明かりが消えているのに気づいたことだろう。

    その前日にニューヨークの病院で亡くなったトニー賞受賞女優、ナターシャ・リチャードソンの死に追悼の意を表すため、その夜、全ての劇場のビルボードからきっかり1分間、明かりが消されたのだ。

    彼女の突然の死は、数日前のスキーレッスン中の事故が原因だった。

    そして、そのニュースはわたしにはかなりの衝撃だった。 (more…)

    No.11 甘いかグロいか? ディズニーの「リトル・マーメイド」

    March 2nd, 2009 by Lil Akim

    最初に断っておくが、ワタスとディズニーアニメとはあまり相性がよくない。

    ディズニー製ブロードウェイミュージカルとはさらに相性がよくない。

    しかし、敢えて重い足を運んで批評家に不人気なミュージカル「リトル・マーメイド」を見に行ったのにはちょっとした理由がある。

    もちろん、ブランジェリーナ(注1)が子供達4人を連れて見に行ったと聞いてご一行様見たさにミーハー根性で忍び込んだのでもなければ、ブロードウェイの劇場に子供料金など存在しない(注2)ことを気にもかけない親戚のガキにせがまれたからでもない。 (more…)

    No.10 「EQUUS」で見るダニエル・ラドクリフ君の人気と実力とナニと仁王様

    December 1st, 2008 by Lil Akim

    果たして、ハリー・ポッターことダニエル・ラドクリフ君はアメリカで人気があるんだろうか?

    ダニエル君のブロードウェイデビュー作「エクウス」(注1)を観た後、ワタスの頭の中はそんな疑問でいっぱいになった。

    と言うのも、ハリー・ポッター人気のおかげでチケットは早々に完売するだろうというワタスの予想は見事に外れ、tktsではほぼ毎日半額チケットが売られているし、当初は無かった学生用の格安ラッシュチケットも10月末から販売が始まったし、ボックスオフィスではなかなかの良席が割引お値段ですいすい買えちゃうし、劇場では空席がポツポツ目立つし、ハリー・ポッターファンと思しき若い観客の数も少ないのである。 (more…)

    No.9 ラティーノの人情紙芝居、「In The Heights」

    August 2nd, 2008 by Lil Akim

    「ズバリ、吉本新喜劇。」

    ブロードウェイで今一番ホットな新作ミュージカル「In The Heights」のことを、あるミュージカル通のおっさんはそうのたまった。

    そう、今年のトニー賞でベスト・ミュージカルを含む4つの賞に輝き(注1)、ラティーノの「RENT」とも言われる大人気ミュージカル「In The Heights」が吉本新喜劇なのだ。

    え? ずいぶん大胆なことを言うおっさんだなーってか?

    いやいや、このおっさんの言うことはかなり正しい。何を隠そう、このワタスも観るなり「とっても『松竹新喜劇』だぜぃ」と思ったクチなのである。 (more…)

    No.8 逃げて行った二匹目のドジョウ「ヤング・フランケンシュタイン」

    January 7th, 2008 by Lil Akim

    ブロードウェイじゃ二匹目のドジョウは釣りにくい。

    この金科玉条を教えてくれるのが、11月に鳴り物入りでオープンした「メル・ブルックスの新作ミュージカル、ヤング・フランケンシュタイン」だ。

    御丁寧且つお下品にも自分の名前をタイトルに入れてくれとるので既にお気づきだろうが、このミュージカルでドジョウを狙うのは前作「プロデューサーズ」でブロードウェイの記録を塗り替える空前の大ヒットを飛ばしたメル・ブルックス大先生。 (more…)

    No.7 轟くロック魂!「Spring Awakening(春の目覚め)」

    September 3rd, 2007 by Lil Akim

    昔、ちみがまだハナ垂れ小僧だった頃、父ちゃんと母ちゃんに「赤ちゃんってどこから来るの?」って聞いてみたことはあるか?

    ん? ワタスは無い。

    で、もしそう尋ねてみて、父ちゃん母ちゃんが「コウノトリが運んで来る」なんてスットコドッコイな答えを返してきたらどうする?

    いや、ワタスならグレるね。

    だって、日通のペリカン便も、クロネコヤマトの宅急便も、本当は人間が運んでることくらい5歳児でも知っている。なのに、赤ん坊を運ぶ謎のコウノトリ軍団を信じろだって?
    そんな無理難題を言われた日にゃ、もうグレるしかないのである。 (more…)

    No.6 意外にヘタレな伝説の女海賊「パイレート・クィーン」

    May 21st, 2007 by Lil Akim

    さあ、お立ち会い。
    時は16世紀。ヨーロッパの西は北海に位置する緑の国アイルランド。
    民を守るため、荒くれ男どもを率いて迫り来るイングランド軍に立ち向かうは我らが女海賊グレイス・オマリー。

    手に汗握る剣戟に愛とロマン。裏切りと密約と世紀の駆け引き。
    伝説のアイルランドの女海賊グレイスと歴史に名だたるイングランドの女王エリザベス一世との対決を描いた激動の物語だ!

    アイルランド伝統の歌と踊りもたっぷりの新作ミュージカル、観なきゃ損だよ! さあ、寄ってらっしゃい、観てらっしゃい! (more…)

    No.5 スマッシュヒットに強気な「ジャージー・ボーイズ」

    March 19th, 2007 by Lil Akim

    さて問題です。
    今、ブロードウェイのミュージカルでチケットのお値段が一番お高い作品はどれでしょう?

    はい。
    それは2006年のトニー賞ミュージカル部門作品賞を受賞した「ジャージー・ボーイズ」でごぜーます。

    さあ、「ジャージー・ボーイズ」と聞いてジャージ姿のヒップ・ホップな少年達を思い浮かべたそこのちみ。

    ブー、ブーッ!

    「ジャージー・ボーイズ」とは、ニューヨークのお隣、ニュージャージー州出身のグループ、「ザ・フォーシーズンズ」のサクセスストーリーを描いたミュージカルなのである。 (more…)